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プロローグ~物語は始まりへ~
真っ黒に染まった空間。
だが少し明るい。光源は水晶のようだ。
それを囲うように、二人組の人がいた。一人は座りながら水晶に向かい、もう一人はその人物の後ろに立っている。
「まだ見つからないのですか?」
水晶と睨み合っている人物に、後ろに立っていた人物が声を掛けた。
声色からすると、女のようだ。
ちなみに、二人はこの真っ黒な空間に不釣り合いな真っ白なローブを纏っている。
「すいません………」
水晶と睨み合っているのはどうやら男らしい。
「急がなくても良いです……と、本来は言いたい所ですが、何せ“時間”がありません。できる限り急いで下さい……!」
女は穏やかそうに話して居るが、時間を気にし男を急かす。
「はい」
男は水晶と睨み合ったまま、言い放った。
それから暫くすると、
「……!見つけました!」
男はそう女に言うと、女は身を乗り出して水晶を見た。水晶には、黒髪の少年が映し出されていた。
「場所は!?」
女は更に急かすように、男に少年の居場所を問う。
「………“科学世界”です」
時は、2013年………
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