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鬼族は遠い昔に絶滅したはず………
村の大人達はザワザワと騒ぎ始めた。
[鬼の子……]
[…鬼の子…]
そう、銀次は絶滅したはずの鬼族の生き残りだった…。
しかし銀次は“鬼の子”と言う真実を知らされる事無く、人間の子供として子供が少なかったこの村で村長に育てられる事になった。
銀次が捨てられていた道の奥に立つ祠には、昔、この村で暴れた鬼を退治した時に使われたと言われる“刀”が祀られていたのだ。
その刀には退治された“鬼”の怨念が染み込んでいた。
その為、大人達は銀次を引き取った後、
『あの場所には近付くな』
と子供達に強く言って聞かせていた。
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