3人が本棚に入れています
本棚に追加
緑で溢れるこの街を 今日君は旅立つという それは僕にとって何よりも 悲しい出来事だった
最後まで何もできない 僕にただ笑顔で 笑いかけてくれた君は どこまで優しいんだろう
本当は君だって悲しいんだろう それを押し殺して僕に言った 「いつかまた会えるから それまで浮気せずに待っててね」
優しい言葉1つもかけれずに 荷物まとめる君を見ている 僕はなんて卑怯な男なんだろう
涙流してはいけないと 下を向いてただ黙っている 少し溢れた涙手で拭って 君にバレないように
駅前の交差点で 信号が赤になった このまま時間が止まれば なんてふと考えた
駅に向かう足並みは どれもみな早すぎて 君を見失わないようにと 僕は手を握りしめた
「本当は私だって辛いんだ」と 僕に伝えるかのように 握り返した君の手の 強さをいつまでも忘れないだろう
いつまでも君の目も見れずに 改札口を通り抜けた 駅はどこか悲しみで溢れてる
「さよなら」なんて言えないから 足元見ながら手を振った 今顔あげたら涙が 止まらなくなるから
ベルが鳴った時 ドアの向こう側の君が呟いた 「少し待っててね」 の言葉忘れない 止まらない涙手で拭って 君を見た
必死で涙を拭いながら 作り笑いをしている君 どこかぎこちない表情で
駅のホームを駈けながら 君に大きく手を振って 離れてく電車が 見えなくなるまで
いつもと同じように 流れている人並みが 1人の僕を流していく 少し寂しいんだけど
「いつかまた会うから 寂しくなんかないんだ」と 心の中で繰り返して ふと空を見上げた 優しい風が吹いて 懐かしい香りを運んだ
最初のコメントを投稿しよう!