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毎日、電車通学。
始発、ヒロは一人、空いている座席にゆったり座る。
次の駅で後輩のKが乗る。
Kは友達らを連れて。
電車の中ではKとダラダラ話をしたり、静かに寝たりして一時間、Kの友達らは先に電車を降りる。
その二つ目の駅でヒロとKが降りる。
毎日そんな感じ。
学校では殆ど誰とも話すことはない。
他人に興味はないし、周りも他人に興味はない。
県内一の進学校は、冷たくて過ごしやすい。
「あー。先輩。また勉強してる。すごいっすね。」
写真部は殆ど活動してなかった。
部室に来るのは電車の時間まで暇なヒロと、同じく暇なK。
「先輩、多田の授業あります?」
「あるある。」
「アイツってどう見てもヅラなんすよね~。」
「あー、そうだよ。ある日いきなり乗せて来て。俺が一年の時に。衝撃的だったよ。」
「マジすか!?」
「マジ。堂々のヅラだよ。頼めば外して見せてくれるし。」
「あはは!ちょっと好きかも!」
Kは図々しい奴。
部活が同じだからというだけで電車では自分の隣に座ってきた。
うるさい笑顔。
ヒロはストレスを感じながら、バレないように笑って。
Kの相手をすることで自分は周りと同じなんだってアピールに使っていた。
普通に過ごすには他人を観察しなければいけないことも分かっていた。
興味が無いからこそ、客観的に相手を見ることが出来た。
Kはただの能天気。ちょっと頭の出来が良いだけ。
努力知らず。
何も考えずに知ってる奴には話し掛ける奴。
多分、卒業しない。
自由な奴。
いつもの電車、帰りも一緒。
Kの隣に座っているのは静かな奴。
Kの友達1。
コイツは堂々と興味の無い奴には無いって態度を取る。
それで平気なのは興味のある特定の人達が居るから。
1の隣に2。
美人。
なのに、Kと同じバカ。
騒がしくて、浅はかで、正義感強い子。
容姿を鼻にかけてないところが人に好かれる要因。
ギャップありすぎ。
2の隣に3。
2とは真逆の、コンプレックスの塊。
太ってる。人見知り。ネガティブな子。
三ヶ月、一言も会話らしい会話をしたことはない。
なのに、1の中心。2の中心。Kはそれにも気付いていない。
中心の子。
変な組み合わせの四人。
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