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「お前は電車で一緒の美人の子が好きなんだと思っていたけど。」 実際はそんなこと思ったことは無かった。 ただ、何で美人の2より、その子なのか聞いてみたかった。 「美人?あ~。」 ‘美人の子’で通じるって事は、Kも2を美人だと思ってるんだ。 「絶対ない!アイツって可愛くないもん。性格が。」 Kは全身で否定をした。 そして2と比べながらカノジョの良いところを次々あげていく…。 「…。あ。オヤスミ。」 ふと、聞いてられなくなった。 ストレスがピーク。 「えー…つまんないっす…。」 Kは呆れながらヒロよりも先に寝る体勢をとる。 Kのことはいい奴だと思う。 カノジョの良いところがポンポンと出てくるあたり、可愛らしいものだ。 けど。 胸がモヤモヤする……。 切ない。イライラしてる…。 あぁ、…死にたい。 そうだ。 いつもそうだ。 自分に近付いてくる奴は。 普通よりも女が大好きで。バカで。 ヒロは気が付く度、死にたくなる。 意味の無い感情。 どうしろっていうんだ…。 ヒロは学校に行くいつもの駅の一つ前で降りた。 自分達が降りる駅と、Kの友達らが降りる駅の間。 Kを見送ってから、衝動的に。 ヒロはKを追って降りた。 Kに気付かれないよう尾ける。 コイツはどんな顔でカノジョを見るんだろう…。 観察をしないと。 他人に興味は無い。 他人に興味は無い。 他人に興味は無い。 無い。無い…無い、無い…。 言い聞かせていると気持ち悪くなる。 バカらしい…。 Kはカノジョに笑っていた。 いつもの笑顔とひとつも変わらない。 同じだ。 ホッとする。 ……。 ホッとしたことに気持ち悪くなって。 腐ってしまえばいい。 手足から、黒く…。 早く死ねばいい。 死にたい。 「あ。ナオちゃん?」 「え…あ…。」 まだ夏休み。 いつもより早い帰りの電車で。 つり革に掴まってふと、前に座っている子に気が付いた。 Kの友達3。 私服の3。 ヒロに気付かれて戸惑っている。 「えっと…。」 「ヒロカワカズヒサだよ。」 挙動不審な3に教える。 多分、名前も顔もキチンと覚えて無いだろう。と。 仕方ない。電車で顔を合わすだけで、話したこと無いから。 知られていても不思議な感じがしてしまう。 3は人の顔を見ない子だから。 今も、うつ向いてヒロを見ないで困っている。 「えっと、いつも電車一緒じゃん。あの煩い奴の高校の先輩です。あ。自分で先輩って言うの変な感じ?」 3は下を向いたまま笑う。
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