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「俺のこと分かる?」
コクコクと3は頷く。
頬が餅みたい…。
「遊びに行ってきたの?いーなぁ。俺、毎日勉強だよ~。」
ヒロはグッタリして見せる。
別に勉強で疲れたことはない。
やれと言われ、誰でもやらなければいけないこと。
やってても誰も文句は言わない。
一番苦じゃない。
勉強している間は何も考えずにすむから。
ヒロにとって勉強だけがやってもいいこと。
「座りますか…?」
3は言いながらもう既に立ち上がってしまう。
「マジ?ありがとう。優しいね。」
ヒロは遠慮無く3の代わりに座る。
うん。立ってエネルギー消費したほういいよ。
と、意地悪に思ったりして。
「ナオちゃんはどこ行って来たの?まさかデート?」
「…母の所に。」
「へぇ。良かった。この前Kがデートでさぁ。人が休み無く勉強してるのにムカつくよね~。」
「あ…。可愛い子ですよね…。」
「ナオちゃん会ったことあるんだ?」
Kのカノジョと3が仲良く話すところ、全く想像できない。
ケバい子と田舎者。
「中学の同級生です。」
「えぇっ?!」
同じ場所で育ってその違い?!
ヒロは素直に驚く。
そして見てみたくなる。
Kのカノジョと3。何を話すんだろう。
「カノジョは電車通学じゃないんだ。見ないね。」
「方向が違うから。学校。」
「ん?…。」
K…。
ヒロは呆れて笑う。
そうだった。
自分になついてくる奴は何故かいつも女の子が大好きで。
バカなんだった。
二股か。
「本当…。可愛い子だよね。」
ヒロは誤魔化す。
話題を変えよう。
Kのバカを庇ってやらなきゃ。
「はい。本当に可愛いんですよね…。何でKなんだろって感じです…。」
「アハハ!意外とナオちゃん毒吐くね。」
「え…。普通です…。」
「四人って幼馴染みなんだよね。いいね、仲良しで。俺そういうの無いから羨ましい。」
「幼馴染みというか…腐れ縁です。四人だけ、こっちの方だから。あとは皆反対方向で…。」
「そうなんだ。俺も。一人だけこっち方向。あとは皆地元の高校で。」
中学は、異常に仲の良いクラスだった。
離れたくなくて皆地元の高校に行ったんだろうって、無自覚の集団意識。
変に仲間意識に囚われて進路失敗した奴がいるはず。
何人か、もう少し高校のレベルあげれた奴いたはず…。
バカだな。
「ナオちゃんは何で今の高校受けたの?皆と一緒が良かったでしょ。女の子って。」
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