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色々着せてみて…楽しい…。 「ナオちゃんておしゃれしないの?」 「…似合わないから。」 「興味はあるんだよね。雑誌買ってるし。」 「これは、このマンガが読みたくて。」 雑誌に数ページ少女マンガが連載されている。 内容は頭の良いつまんない女の子が服飾学校の凄いキャラ達に気に入られてモデルになっていく、シンデレラストーリー…な? 絵のデザインがキレイ。 「面白そうだね。」 「持ってます。貸しますか?」 3は嬉しそうに食い付く。 「うん。貸して。」 おしゃれしない3。 なんか、楽。 3にアドバイスするフリして…。楽しんでる。 3の前なら気にならない。 「あれ、ナオさん。」 いつもの帰りの電車で。 3達が降りる駅から乗ってきた制服の男子高生が3に声を掛けてくる。 「あ。」 ヒロの隣に立った彼、3の前。 「何してんの?」 「出掛けてた。」 「だろうね。」 3は彼に愛想笑いをしてみせる。 「陽太は部活?」 「うん。そう。」 爽やかな男の子。 「疲れたぁ…。牧選手って容赦無いんだよ。」 「ははっ。あ、座る?」 3がサッと立つ。 「いいよ。俺すぐ降りるし。」 彼は3の好意を受け取らない。 「座りなさいよ。」 「いいって。」 3が違う。 笑顔が違う。 スゴいバカな顔してる。 イヤらしい笑顔。 ふぅん。 恋って…。気持ち悪い。 ヒロは3が立って空いた座席に座る。 「えー…?先輩…。」 3は呆れる。 「あ。知り合い?ビックリした。」 彼は眩しいくらいにキラキラ笑った。 ふぅん…。 「友達の高校の先輩。」 「そっか。」 彼はヒロにお辞儀をする。 「ナオちゃんの彼氏?」 ヒロは意地悪な気持ちを隠して軽く笑顔で聞く。 意識して喋れなくなっちゃえ。
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