第1話

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ムキになって怒り出す桜。 それがまた、からかいたくなるのだ。 そう、私は………… 桜「そー言えば!輝春、ラクロスなんてやってたっけ?」 輝春「やってないけど?」 桜「やってないのに、良く出来たねっ?」 輝春「………私に、出来ない事なんてあると思う?」 桜「はい、ないですね……」 男で言う“俺様”。 女で言う……“私様”? を“演じている”のである。 そして、私達は校門を出て駅へと向かう。 桜「あ、この本ありがとう。とても興味深かったぁ!でも、結構簡単なトリックだったね」 輝春「桜にとっては簡単過ぎたな。次は、江戸川乱歩でも読んでみる?優しい輝春様が、いつでも貸してやるわ」 桜「うんっ!」 この会話が、女子高生の会話だとは言えないだろう。 例え 女子校だからと言っても、帰宅時に推理小説の推理が簡単か、なんて話はしないはずだ。 ………男子校の奴らは、するかもな。 まあ、それは今に始まった事じゃないし。 私達の学校はエスカレーター式で、中高一貫なのである。 中学の頃は、普通科と学進科の2つであったが、高校からは学進科文系、学進科理系、芸術科、体進科、普通科の5つに別れていた。 高校に進学すると、それまでいた科を移動する事が出来る。普通科入学した子でも、相当努力すれば学進科に移れる可能性もある。学進科入学でも怠ければ、高校からは普通科と言うこともあるのだ。        
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