太陽が真上に達する時

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江成さんと永瀬さんに連れられて来たのは水族館裏の関係者通路…薄暗く狭い通路を進む。 「水槽がいっぱい」 「あれはなんですか?」 「あそこから、水槽に入って魚に餌をあげたり、魚と戯れたりしてパフォーマンスをします。 お客様が喜んで下さいますから」 「へ~」 「着きましたよ」 江成さんが指さす方を見ると… そこには大きな機械があった。 「――すごっ!」 「わぁ…」 「なんですか、これ?」 「ウォーターカッターです。 水圧を利用して切断します。 ダイヤを削ることも出来ますよ」 水圧でダイヤを削れるなんて… 「あなたたち、何してるの! 関係者以外は立ち入り禁止よ!」 「いや、あの…っ」 「私が連れて来たんですよ」 「江成さんが…?」 スーツ姿の女性は不審そうにボクたちを見て溜め息を吐いた。 「私は公安の水際凪沙です。 あなたたちが探偵部の人たちね」 「公安の方だったんですか」 「一応…報告は受けていたんですけど…ごめんなさいね。 薄暗くて分からなかったみたい」 「何をされているのですか?」 「まぁ…不審物の捜索です。 ここにはありませんでしたよ」 「しかし…気になりますね。 犯人の狙いも目的も正体もなにも分からない状態ですから… 対処するのが難しいですよね?」 「そうですね…今のところ園内に不審物は見つかってませんが、 出来るだけのことはしましょう」 ボクたちは別の場所へ向かった。 ――――――――――――――― 律と剛久と長谷川はスパエリアを捜索していたが何もなかった。 「不審物はありませんね」 「喉かわいたな」 「何か買って来よう。 キミたちは待っていなさい!」 長谷川は飲み物を買いに行った。 「あんなんだから誠也くんにいいように使われちゃうんじゃ…💧」 「かもな」 長谷川はスキップしていた。 長谷川が飲み物を買いに行くと…自動販売機の横に不審な箱があり辺りを気にしながら開けると… 「これは…っ!?」 開けた瞬間…箱は爆音と共に吹き飛び、長谷川も飛ばされた。 「――ぐっ!」 しかし、とっさに身を守ったので軽傷で済み、立ち上がった。 「長谷川さん!」 「見ろ…メッセージだ」 『これは悪戯などではない』 「これが始まりか…」 幸いにも怪我人は無かった。
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