太陽が真上に達する時

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長谷川さんのチームから、連絡があって爆弾が見つかったらしい。 「長谷川さん、大丈夫なの?」 「とっさに身を守ったから軽傷ですんだって…よかったね」 「どうして僕に振るの?」 「心配なんでしょ?」 「――なっ!?だ、誰が…っ」 誠也くんは顔を真っ赤にした。 思わぬ反応だったから驚いたけど長谷川さんは大切なんだね。 それが明らかに顔に出てる。 「ま、まぁ…日頃から僕が鍛えてあげてるから当たり前だよ! そんなことで死んだりしないよ」 「せいやくん、照れてるぅ♪」 「照れてないよ!」 「怒った~」 「……ったく!」 こういうのが『絆』なのかな。 普段はあまり感じなくても目には見えなくても存在している。 いつもべったりしてるより、これくらいの距離感の方がいいかも…なんだか羨ましくなった。 「とにかく!続き探すよ!」 「誠也くん、待ってよ~」 向こうの心配はなさそうだから、別の場所に行くことにした。 ――――――――――――――― 長谷川たちの方には、遥香たちがいて現場の捜査をしている。 「これが爆発したわけね」 「プラスチック爆弾ですね」 「威力は極めて低いようですが、直撃すれば骨は砕けます。 あまり油断は出来ない物です。 たぶん、他のエリアにも複数もの爆弾を仕掛けてると思います。 犯人は複数ではないでしょうか」 「なるほど…さすがね」 長谷川は役に立たなかった。 ――――――――――――――― ここは女子チームが買い物をしているショッピングエリア。 みんな買い物を楽しんでいる。 「…こちら、内海。爆弾の設置は完了。今から広場へ行きます。 おっ、かわいい女の子発見~♪」 『道草を食うな。広場へ行け』 「はいはーい」 内海がナンパしようとしたのは、探偵部の女子チームだった。 何も知らずに買い物をしている。 「あれ、カワイイ~!」 「みんな元気ね」 由美の携帯が鳴り出る。 「もしもし?」 『由美さんですか?』 「あら幸人くん。どうしたの?」 『そっちに怪しい鞄とか、不審な物とかありませんでしたか?』 「不審な物?」 由美が会話している後ろで、女子チームはベンチに座っている。 「不審な物なんて――」 女子チームが座っていたベンチの横のゴミ箱が爆発炎上した。 その場は騒然となり混乱した。
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