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伊達さんに、これまでの二ヶ所の爆弾騒ぎと噴水爆破を話した。
「『太陽が真上に達する時』っていうのは『太陽が描かれた気球が真上に達する時』という意味…
『水上のシンボル』は『湊アクアランドのシンボル』…か。
まったく…すっかり騙されたぜ」
「犯人は…紛らわしい犯行予告を出して現場を混乱させた。
あんなに楽しい楽園のような場所だったのに…今は地獄です。
小さな子供も大きな大人もケガをして傷つけられています。
何の罪もない人が…犯人の恨みで傷つけられているんです。
恐らく犯人の狙いは…社長です」
「社長…?湊清志郎か?」
「はい。爆発を起こして混乱している間に湊さんを殺害する計画…それが犯人の狙いだと…
まだ想像の範囲ですけど――…」
煙の向こうに信じられない物が…通路を塞ぐ壁が現れている。
「な、何ですか…あれ…!」
「あれは緊急遮断用の隔壁です」
「永瀬さん」
「地震や火災や津波などの災害が発生した時に、被害が拡大しないように作られた隔壁です。
壁の厚さは2メートル弱ですが、突き破ることは不可能です。
管理棟から操作できれば…っ!」
「閉じ込められたってことかよ」
「爆発の衝撃で隔壁が動き出してしまったのだと思いますが…
詳しいことは分かりません。
他のエリアの状況が分かれば…
まだ調べようはありますけど…」
ボクは携帯で電話をかけた。
どうやら電波は生きてるらしい。
―――――――――――――――
管理棟には丹波がいて、警備員を気絶させ管理エリアを乗っ取り、隔壁を下ろせないようにした。
「さて…管制塔へ向かうかな」
管理棟と管制塔は、同じエリアにあるため隔壁は下ろさない。
そのまま管制塔へと移動する。
「宴の始まりだ…!」
丹波が抱える恨みとは何か――…
―――――――――………………
丹波は、湊コンツェルンの前身となった湊造船の社員だった。
「丹波くん、ちょっと…」
「はい、なんでしょうか」
「キミの設計図を見たよ」
「ど、どうでした?!」
丹波は船の設計士になるのが夢で小さい頃からの憧れだった。
「ダメだね。センスがないよ」
そう言って破り捨てられ、丹波は会社を辞めたが彼の設計した船が勝手に造られてしまっていた。
丹波はそれが許せなかった。
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