237人が本棚に入れています
本棚に追加
爆破された広場を見た御門たちは外へ出たが広場へ行けない。
隔壁で通路が遮断されている。
「これでは先に進めない!」
「まったく…考えましたね。
隔離で各エリアへの通路を遮断…入ることも出ることも不可能。
このままだとマズいですよね…」
「とにかく、部屋に戻るぞ」
御門たちは部屋へ戻った。
手にダガーナイフを持った丹波が管制塔に現れ、御門たちを横目に見ながら堂々と中へ入った。
「いったい、何が起きている!?」
「社長、落ち着いてください」
「落ち着いていられるか!
私の…我々の苦労の結晶が…ッ」
「――くだらない」
丹波は清志郎に近づき、机の上に書類やファイルを放り投げた。
「これは…!」
「アンタが部下に奪わせた土地の権利書や改ざんした登記簿だ。
さらに…湊コンツェルンは長期に渡り上場企業そうだが不当に解雇された人数は計り知れない!
これが…その一覧のリストだ!」
丹波はその書類にダガーナイフを刺して清志郎を睨みつけた。
「ま、まず落ち着こう…な?」
「覚えて…ないのか?」
「なに?」
「これを見ろォ!」
丹波は船の設計図を見せた。
「それは私の…」
「違う…違う違う違ァう!!
コレは…アンタの部下が描いた物…それをアンタはいかにも自分が描いたと偽って発表した!
才能が無いって言ったクセに!」
「まさか、キミは…!?」
「アンタに才能を否定された丹波延行…アンタに潰された男だ!」
「お父様、今の話は…」
「だったら…どうした?」
「なんだと…?」
「私がキミの設計図を使ったから何だと言うんだと言ったのだ!
部下であるキミの物は私の所有物…素直に評価できるものか。
あれほどの物…見たことがない」
「あなた…最低ね」
「貴様…よくも…!」
清志郎は悪びれる様子もなく席を立ち、窓から広場を眺めた。
「…キミたちのしでかしたことに比べたら可愛いものだろう?
私は誰の命も奪っていない。
ちゃんと退職金も払ったんだ。
責められる必要がどこにある!」
「苦しい言い訳だな…!
そんなものはただの屁理屈だ!」
「――その通り…」
そこに御門たちが戻って来た。
「貴方は罪を犯した。
それは償うべきことだろう」
「くっ…」
清志郎はイスに座った。
最初のコメントを投稿しよう!