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やはり手は絆創膏だらけで、洸は手を取り優しく撫でた
「こんなに怪我して…」
「大丈夫だよ、それよりご飯出来たよ」
ニコリと微笑んで張り紙を剥せばキッチンへ誘う
そこにはあのあんかけ丼
「でもさ、どしたの急に料理なんて」
「ぅ…んと、昨日…昶が白銀さんのために作ってて、考えたら俺も作ってもらってばかりだなって思ったんだ」
目の前にある丼を手にして問うた言葉に返ってきた答えは意外なもので、少しだけ目が瞬く
「白銀さん、喜んでたし…洸兄も嬉しいのかなって、それで作ろうと思って」
「俺のために…?」
静かに確かめれば頷いて、その顔はほんのり赤い
嬉しさに満面の笑みを浮かべればクシャリと金色の髪を撫でる
「めっっちゃ嬉しい」
見惚れる程に幸せそうに笑うから、何も言えずただ頷いた
丼を持ち"いただきます"と一口食べる
瞬間固まる表情、震える肩
答えはまぁ…お世辞にも美味いとは言えなかった
口の中のものを咀嚼しゴクンと飲み込む
この材料は何なんだろうと見つめてしまう
それに不安がれば賢吾も一口食べる
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