◇愛妻

5/6
前へ
/187ページ
次へ
弾かれたように流しへ向かいぶはッと噴出す 「野菜生っ辛っ!!片栗粉多っっ!!」 「入れ過ぎっていうか…入れない方良かったかも」 フォローするかのように苦笑いしながら呟けばもう一口食べる それを見ればげっと慌てて丼を取ろうと駆け寄る 「いっ、良いって無理しなくて!!お腹壊すよっ、俺が食べるから!!」 眉を下げて困ったように言いながら手を伸ばすも、悲しきかな身長差…ヒョイと躱される 若干半泣きになりながら見上げれば、洸兄が死んでしまうっ、と有り得ない事を考えるも不意に頭に暖かい感触 「……?」 「ケンが俺のために作ってくれたご飯を、残す訳ないでしょ?」 愛妻ご飯、と本当に嬉しそうに笑うから…もう何も言えなくなってしまう ならば自分もと我慢しながら何とか食べれば、結局完食してお茶を飲む 「久し振りに誰かの手料理食った―」 「ぅ…ご、ごめんなさい…」 久し振りがこんなので、と落ち込めばフワリと抱き寄せられて、額に口付けられる 「ゆっくり上手くなっていけば良いよ、だからさ…」 また作ってね 「…しゅ、修行します」 満足気に洸は微笑んだ (愛妻は伊達じゃない) NEXTおまけ☆
/187ページ

最初のコメントを投稿しよう!

50人が本棚に入れています
本棚に追加