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弾かれたように流しへ向かいぶはッと噴出す
「野菜生っ辛っ!!片栗粉多っっ!!」
「入れ過ぎっていうか…入れない方良かったかも」
フォローするかのように苦笑いしながら呟けばもう一口食べる
それを見ればげっと慌てて丼を取ろうと駆け寄る
「いっ、良いって無理しなくて!!お腹壊すよっ、俺が食べるから!!」
眉を下げて困ったように言いながら手を伸ばすも、悲しきかな身長差…ヒョイと躱される
若干半泣きになりながら見上げれば、洸兄が死んでしまうっ、と有り得ない事を考えるも不意に頭に暖かい感触
「……?」
「ケンが俺のために作ってくれたご飯を、残す訳ないでしょ?」
愛妻ご飯、と本当に嬉しそうに笑うから…もう何も言えなくなってしまう
ならば自分もと我慢しながら何とか食べれば、結局完食してお茶を飲む
「久し振りに誰かの手料理食った―」
「ぅ…ご、ごめんなさい…」
久し振りがこんなので、と落ち込めばフワリと抱き寄せられて、額に口付けられる
「ゆっくり上手くなっていけば良いよ、だからさ…」
また作ってね
「…しゅ、修行します」
満足気に洸は微笑んだ
(愛妻は伊達じゃない)
NEXTおまけ☆
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