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ケンは興味津津な顔をしながら耳をジッと見上げてる
時折ピクリと動く動作に反応するのが逆に可愛い…
「触っても良い…?」
「どーぞ」
許可を出せばパッと目を輝かせて立ち上がりクイと優しく掴む
くすぐったいような感覚、でも嫌じゃない
「暖かい…本物なんだよね、これ」
「そうみたい、なんだろ―…っていうかさぁ…」
溜め息混じりに呟けばケンを見る
大体俺に生える事事態おかしいよね、耳はケンに生えるべきでしょっ!!
世の中まちがってる、うん
「……このまま、洸兄が犬になったらどうしよう…」
不安がりながら呟いた一言、自分で言っておきながら瞳が潤んでた
遥か、遠い記憶の姿…だけど今は
この子を抱き締められず、手も繋げないなんて…冗談じゃない
安心させるように膝に乗せて、強く抱き締めた
次いでこめかみにキスして優しく微笑む
「だいじょーぶ、ならないよ。」
「…うん」
首に回される腕が、強くしがみついてくる
俺、犬と言うより狼だな…だって今すごくケンを食べたい
そんな考えに苦笑して、カプリと首筋に甘噛みした
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