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言ってしまったら、この立場が崩れて…無くなってしまう気がして
ずっとずっと隠してきた
知っても、貴方は俺を何時ものように扱ってくれる?
課題が終われば褒められて抱き締められる
戸惑うけど嬉しくて、やっぱり言いにくくなる
洸兄お手製のおやつはプリンで、昶でも食べやすい作りは流石だと思う
帰る時間、昶に呼ばれて側に行けば、内緒話しをするように身をかがめる
俺は少しだけ近付いて、話しやすいようにした
「まだ言ってないのかよ」
「う…うん」
「ったく…、もう今辺り言ってしまえ。何時か知らなきゃならなくなるんだぞ」
嘘を吐いたままは辛くて、でも怖くて…
昶は意外にも、コクンと頷いてばしっと肩を叩いた
それがなんだか励まされたようで、悩みがすとん、と落ちた
取り敢えずトイレでさらしを取って、嬉しくない膨らみを露にさせた
仕方ない、さらし巻けないから走って帰ろう
そう考えて廊下に出て、なんか悩んでるような洸兄の上着を軽く引く
パッと、すぐに向いてくれたのが嬉しくて
ちょっとだけその表情に見惚れた
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