50人が本棚に入れています
本棚に追加
見上げれば白銀さんが、綺麗に微笑んでた
「無理する必要も無いんです、洸が待つって言うなら待たせれば良いんですよ」
ね、と首を傾げて言う姿は…何だか昶にも言い聞かせてるようで…
俺はコクンと頷いてみせた
―放課後―
洸兄が暇だって言うから、門で待ち合わせて帰る事になった
「ケーンっ」
低く通る声に振り返れば、洸兄が手を振って走って来る
それに応えるように手を振って近付く
「お疲れさん、今から俺ん家来る?折角だからお菓子作るよ」
「えっ、行く!!」
洸兄のお菓子は店のより美味しい
だからたまに作ってくれるのが嬉しくてワクワクする
取り敢えず足りない物を調達するためにスーパーに向かう事になった
するとポツリ、と鼻に冷たいものが当たった
「冷たっ」
「え、あ―…雨かな?」
鼻に付いた滴を拭ってくれながら洸兄が呟いた
その瞬間ポツポツと少しずつ勢いが増していく
「やば…ケン走るよっ」
「え、わっ…!?」
手を握られて、走り出すのに驚きながら、着いて行こうと足を動かす
洸兄の家まだ先だし、俺ん家逆だし…
洸兄も考えてるのかキョロキョロしてる
ふと、建物が見えた
最初のコメントを投稿しよう!