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お腹に熱いような痛いような衝撃が襲う
そのままドサリと倒れる感覚と、じわじわと何かが流れる感覚
あれ…俺、何で…
「賢吾っ…」
「あ…きら…?」
泣きそうな顔、珍しいなぁ…なんて思いながら、思い出したさっきの出来事
コクチが昶を挟み撃ちして、背中に来た刃から庇ったんだ…
白銀さんが必死に治そうとしてる…
「馬鹿野郎…っ、何庇ったりしてんだよ!!」
「ごめん…でも、考えるより体が動いたから…」
綾も昶も、そんな顔しないでよ
息がし辛い…あぁ、洸兄が今日居なくて良かった
「げほっ……」
「賢吾!?」
口から血を吹いて綾が慌てる、安心させるように笑ったけど…笑えたかな
あぁ、もう少し眠たいや…
…どうせ死ぬなら、洸兄に抱き締められたかったなぁ
泣き顔なんて、見たくないけど
会いたいよ…洸兄
そっと目を閉じる
声が、遠のいてく
洸兄…大好き
俺、幸せだったよ
けど、ごめんね
…お願い最高の笑顔で見送って
そしたら俺は笑って逝けるから
(もし最後があるのならば、貴方の側で終わりたかった)
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