50人が本棚に入れています
本棚に追加
そっと頬に手を添えて、怖がらせないように微笑む
「ほら、大丈夫だよ。口開けてごらん?」
「や、やだ…」
賢吾はすでに生まれた痛みに涙目になりながら、フルフル首を振る
その姿に苛めたくなる気持ちを押さえながら、額に口付ける
「ね…痛くしないから」
「ほ…本当…?」
「うん、だから口開けて」
怖々と賢吾が口を開けば、閉じさせないように親指を口に入れる
キュッと恥ずかしさに目を瞑り袖を掴む
「んぅ…」
「そう…もっと開けて」
「ぁ……」
涙が滲みながら、言われるまま口を開く
「ん…良い子だね」
そっと、顔を近付ける
「ほらやっぱ有ったじゃん!!虫歯っ」
「い、ひゃい―!!」
見つけたのは奥歯にある1つの虫歯
痛むのを堪えていたのを問いただしやっと確認できたものだ
「明日歯医者行こうね」
「グスッ……う―…」
よしよしと頭を撫でながら、泣き付く賢吾を不謹慎にも可愛いと思った洸だった
+END+
ほら、はたから聞くと何してんだお前らみたいなありがちな話しに…したかったんですぅっ!!!
最初のコメントを投稿しよう!