◇イタくしないで

2/2
前へ
/187ページ
次へ
そっと頬に手を添えて、怖がらせないように微笑む 「ほら、大丈夫だよ。口開けてごらん?」 「や、やだ…」 賢吾はすでに生まれた痛みに涙目になりながら、フルフル首を振る その姿に苛めたくなる気持ちを押さえながら、額に口付ける 「ね…痛くしないから」 「ほ…本当…?」 「うん、だから口開けて」 怖々と賢吾が口を開けば、閉じさせないように親指を口に入れる キュッと恥ずかしさに目を瞑り袖を掴む 「んぅ…」 「そう…もっと開けて」 「ぁ……」 涙が滲みながら、言われるまま口を開く 「ん…良い子だね」 そっと、顔を近付ける 「ほらやっぱ有ったじゃん!!虫歯っ」 「い、ひゃい―!!」 見つけたのは奥歯にある1つの虫歯 痛むのを堪えていたのを問いただしやっと確認できたものだ 「明日歯医者行こうね」 「グスッ……う―…」 よしよしと頭を撫でながら、泣き付く賢吾を不謹慎にも可愛いと思った洸だった +END+ ほら、はたから聞くと何してんだお前らみたいなありがちな話しに…したかったんですぅっ!!!
/187ページ

最初のコメントを投稿しよう!

50人が本棚に入れています
本棚に追加