◇可愛い人、側においで

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愛しい人は電話中で、とても楽しそうに笑うから なんだかつまらなくて、ソファに膝を抱えてジッとそれを見る 寂しいとか、ヒマだとかとにかくそんな感情しかなくて、その背中を見るだけ 「はいはい、そんじゃまた」 ピッと、やっときった携帯をポケットにしまいハタと目が合った 思わずムスッとした顔でプイとそっぽを向いてしまう 本当に子供だ…こんなの… でも 近くでクスリと笑う声が聞こえて 「ケン」 呼ばれて、思わず振り向くととても優しい顔で声でフワリと両腕を広げ 「おいで」 なんて、それはもうとびきり甘く笑いかけるから… 迷いなんて、そんなもの 「洸兄っ…」 ポスンと思い切り胸へ飛び込んでギュゥッと抱き着いて、洸兄は答えるようにギュッと強く優しく抱き締めてくれた 「ごめんな、1人にさせて」 「ん、寂しかったけど…許す」 クスクスと笑う声、これだけで許せる俺も甘いのかな でも…やっぱ嬉しいのだから、仕方無い クシャリと髪を撫でられて、スリと擦り寄り 「ケン」 「ん?」 再び呼ばれて顔を上げればチュッと音を立て唇が触れた さっきの分もうんと甘やかしてあげる だから、そんな顔してないでこっちにおいで (それだけで、安心するの) +END+
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