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壮絶な戦い基昶の料理で悲惨になったキッチンを綺麗にし、失敗した材料を何とか訂正し夕飯に使い見た目味共に華やかなご飯が出来上がった
「昶、頑張ったんだな」
「そうだねぇ。愛だよ、愛」
にこやかに言えば食事を続けるもその言葉に賢吾は並ぶ料理を見つめる
嬉しいと白銀は幸せそうに笑っていた
洸兄は、嬉しいんだろうか
そう思いながら賢吾は食事を再開した
いつも美味しくて暖かいご飯を食べさせてくれる、それが当たり前で、そんな事を考えた事も無かった
チラリと洸を見る
自分も作ってみようと考える賢吾だった
後日
"洸兄立ち入り禁止!!"と書かれた張り紙がキッチンの入口に貼られていた
「……んん?」
寝起きの洸がカチャリと眼鏡をかけ直しながらその文字を見つめる
「珍しく早起きだなぁとか思ったら…何してんのあの子」
呟きが静かに溶けて消えた
キッチンには賢吾、黄色いエプロンを身に着けて腕捲りをし意気込み冷蔵庫を開ける
作ってあげたい本人に教わるのは何か意味が無いと思い、1人で作ろうと材料を漁る
別に昨日洸兄を独占されたと妬いてる訳では無い、と1人ごちる
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