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「…………………」
そしてここにも。
目の前にもくもくと上がる湯気を見つめ 呆然と立ちすくむ少年が。
「何やの ここは…」
目の前どころか 自分の周りいっぱいに湯気が上がり 少年は黙然と立っている。
「……ここは有名な温泉あるて噂が流れてきたけど………… これ絶対人間が入れる温泉ちゃうで!!!!!?」
黙ってたと思ったら いきなり激しい突っ込みを入れてきたではないか。
それもそうだ。
温泉と言ったら人が入れるくらいでちょうど良い湯加減なのに 少年の周りにあるものは全て恐ろしいほどの湯気を出している。
「これに入ったら絶対仏さんやで…」
少年は真っ青な顔をして温泉ではなさそうな温泉を見つめる。
「ここに有名になり始めたとか言う男が…大分が居るて聞いたんに…」
少年は手に袋を持ち しょいこんでため息をつく。
「せっかく大分に来たっちゅうに 肝心な大分に会えんかったら意味あらへんやないの~」
少年は辺りを見渡し 『大分』を探し始める。
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