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「よかったです」
男の子は凄く優しい笑顔で笑いかけてくれた。なんで、笑顔なんだろ?漫画とかだったら「何やってんだよ!あぶねえだろ!」とか言われると思っていたのに。
「本当迷惑かけてすみません」
「いえ、気にしないでください。それでは、僕はこれで」
そして、男の子は一礼をしてその場から去って行った。
「あっ!待って!!」
名前ぐらい聞いておけばよかった。また、会えたらいいな。少女漫画とか出てきそうだなと思ったのに。それにしてもカッコイイ男の子だったな。
「‥‥」
とりあえず、学校に行くか。私は学校へ向かった。その日、私の心は、朝出会った男の子のことでいっぱいで、授業に集中できなかった。まぁ、集中できないのはいつものことなんだけど、なんだろこれって恋っていうのに近いのかな。
「どうしたの?舞?」
「あぁ?」
もう、お昼かぁ。
「舞?人の話聞いてるの?」
「ほえ?」
なんか頭がぼおぉーっとしてる。
「ほえって。朝からずっとぼおーっとしているみたいだけど、何かあったの?」
私を現実に引き戻した彼女の名前は、栄沢キヨ。クラスメイトかつ親友。
「‥実わね。今朝、ちょっと良い事があってさぁ」
「良い事って?」
「気になる!?」
私は高い声でキヨに聞いた。
「まぁ、気になるかな」
「実わ、今日さぁ」
そして、今朝出会った男の子の事をキヨに話した。
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