第1章

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「よかったです」 男の子は凄く優しい笑顔で笑いかけてくれた。なんで、笑顔なんだろ?漫画とかだったら「何やってんだよ!あぶねえだろ!」とか言われると思っていたのに。 「本当迷惑かけてすみません」 「いえ、気にしないでください。それでは、僕はこれで」 そして、男の子は一礼をしてその場から去って行った。 「あっ!待って!!」 名前ぐらい聞いておけばよかった。また、会えたらいいな。少女漫画とか出てきそうだなと思ったのに。それにしてもカッコイイ男の子だったな。 「‥‥」 とりあえず、学校に行くか。私は学校へ向かった。その日、私の心は、朝出会った男の子のことでいっぱいで、授業に集中できなかった。まぁ、集中できないのはいつものことなんだけど、なんだろこれって恋っていうのに近いのかな。 「どうしたの?舞?」 「あぁ?」 もう、お昼かぁ。 「舞?人の話聞いてるの?」 「ほえ?」 なんか頭がぼおぉーっとしてる。 「ほえって。朝からずっとぼおーっとしているみたいだけど、何かあったの?」 私を現実に引き戻した彼女の名前は、栄沢キヨ。クラスメイトかつ親友。 「‥実わね。今朝、ちょっと良い事があってさぁ」 「良い事って?」 「気になる!?」 私は高い声でキヨに聞いた。 「まぁ、気になるかな」 「実わ、今日さぁ」 そして、今朝出会った男の子の事をキヨに話した。
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