第二章~召喚~

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第二章~召喚~

転入生の出現で怒涛の1日となったが、無事に迎えた放課後。 イリヤは未だにクラスメートに囲まれ、質問責めの状況だった。 まぁ、俺にはまったく関係ないので、普通に帰らせてもらうが…。 と、イリヤに憐れみの視線を送り、扉に手をかけた瞬間。 ――サーヴァントはもう呼び出した? 頭の中で声がした。 鼓膜ではなく、まるで頭に直線話しかけられたような感覚は間違いない…。 「――魔術、か…」 ――正解♪流石は衛宮の一族だね。 ――知ってるのか? ――うん。私はアインツベルンの者だもん。シロウのこともリンのことも知ってるよ? その言葉でようやく思い出した。 イリヤスフィール・フォン・アインツベルン…その名前を。 ドイツの黒き森の中に城を構える魔術師家系の貴族、アインツベルン。 連中には関わるな…それが祖母さんからの言葉だった。 まぁ、その理由までは聞いてないけど…。 ――とりあえず、今日エミヤの家に行くから。 ――なんでさ? ――シロウやリンに会いたいから♪ ――祖母さんは会いたくないみたいだけどな…。 ――ふふっ♪リンらしいわね。 その言葉を最後に声は途絶えた。 どうやら祖母さん達とは古い付き合いらしいが……あいつ今何歳なんだ? なんて考えながら、今度こそ教室から出たのだった…。 …………。 ……。 …。 「………なんですって?」 「いや、だからイリヤスフィールってやつが今日うちに来るってさ」 「イリヤスフィールが…!?彼女は生きていたのですか…」 と帰宅後、事のあらましを祖母さん達に説明したのだが…。 なんだか、話さない方が良かったらしい。 その証拠に、祖母さんの額には青筋が浮かび上がり、湯飲みを持つ手も震えている。………怒りで。 うん、なんか知らんが怒ってるっぽいな。 「あんたはッ!アインツベルンには関わるなって言ってあったでしょ!?」 「仕方ないだろ?転入生なんだし。だいたい関わるなっていう理由も教わってないぞ俺」 凄い剣幕でまくし立ててきた祖母さんを宥めながら、急須からお茶を注いだ。
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