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「あの小悪魔~……まだ生きてたなんてね…!」
「そんなにカッカしてると血圧上がって倒れるぞ?」
「誰のせいだと思ってるんだいッ!?」
「間違いなく俺じゃないな」
なんて冷静にスルーしつつ、脇に座っていたセイバーに耳打ちしてみる。
「祖母さん、イリヤスフィールと何かあったのか?」
「まぁ、過去に少し……というか、かなり色々と」
「なんでさ?」
という俺の問いに、彼女は少し悩む素振りを見せた。
それは暗に、俺に話していいものか思案しているようだったが、やがて…。
「イリヤスフィールは凛と士郎の敵だったのです。殺し合うほどの…」
「祖父さんまで?」
「儂はイリヤを殺そうとはしてない。正確には凛と致命的なまでに相性が悪かったんだよ」
「……相性だけの問題だとは思えないのですが…」
なんて、怒り狂う祖母さんをそっちのけで話していると…。
まぁ、その怒りの矛先は俺達(というか俺)に向く訳だ。
「あんた…イリヤと何か話したのかい?」
「ん?…あ~、何とかを呼び出したのか…って聞かれたけど?」
そう答えた瞬間、祖母さんの表情が凍り付いた。
それは、あきらかに俺に知って欲しくないことを告げられた…という顔だった。
「……祖母さん、何か隠してるだろ?」
確信を持って尋ねる。が…。
祖母さんは俺の予想していなかった返答をした。
「ええ。でも、あんたがそれを知る必要はないよ」
「なんでさ?」
「世の中知らなきゃよかった…って事はいくらでもある。特に魔術が絡むとね」
「だったらなんで俺に魔術なんか教えた?」
「…………」
祖母さんは答えない。
ただ、その目は…何があっても話さないと物語っていた。
だけど、俺もそれで納得出来る性分でもない。
なら、話は簡単である。
祖母さんが話さなくとも、確実にその内容を知っている人物がいるのだから…。
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