第二章~召喚~

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「あの小悪魔~……まだ生きてたなんてね…!」 「そんなにカッカしてると血圧上がって倒れるぞ?」 「誰のせいだと思ってるんだいッ!?」 「間違いなく俺じゃないな」 なんて冷静にスルーしつつ、脇に座っていたセイバーに耳打ちしてみる。 「祖母さん、イリヤスフィールと何かあったのか?」 「まぁ、過去に少し……というか、かなり色々と」 「なんでさ?」 という俺の問いに、彼女は少し悩む素振りを見せた。 それは暗に、俺に話していいものか思案しているようだったが、やがて…。 「イリヤスフィールは凛と士郎の敵だったのです。殺し合うほどの…」 「祖父さんまで?」 「儂はイリヤを殺そうとはしてない。正確には凛と致命的なまでに相性が悪かったんだよ」 「……相性だけの問題だとは思えないのですが…」 なんて、怒り狂う祖母さんをそっちのけで話していると…。 まぁ、その怒りの矛先は俺達(というか俺)に向く訳だ。 「あんた…イリヤと何か話したのかい?」 「ん?…あ~、何とかを呼び出したのか…って聞かれたけど?」 そう答えた瞬間、祖母さんの表情が凍り付いた。 それは、あきらかに俺に知って欲しくないことを告げられた…という顔だった。 「……祖母さん、何か隠してるだろ?」 確信を持って尋ねる。が…。 祖母さんは俺の予想していなかった返答をした。 「ええ。でも、あんたがそれを知る必要はないよ」 「なんでさ?」 「世の中知らなきゃよかった…って事はいくらでもある。特に魔術が絡むとね」 「だったらなんで俺に魔術なんか教えた?」 「…………」 祖母さんは答えない。 ただ、その目は…何があっても話さないと物語っていた。 だけど、俺もそれで納得出来る性分でもない。 なら、話は簡単である。 祖母さんが話さなくとも、確実にその内容を知っている人物がいるのだから…。
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