第二章~召喚~

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バーサーカー……凶戦士と称された少女は何も言わず、ただ無言で一点を睨みつけている。 その先にいるのは、セイバーだった。 だが、セイバーもそれに応えるように鋭い目つきでバーサーカーを凝視する。 「イリヤスフィール…。争いに来たのであれば受けて立ちますが?」 「セイバー…!」 「ただし、バーサーカー…この場で一戦交えるつもりならば、何があろうとも私は必ずその体を両断し、貴殿のマスターも叩き斬ろう」 その覚悟はできているのか、とセイバーは目でバーサーカーに問いかけた。 すると、イリヤスフィールは片手を上げ、バーサーカーを下がらせる。 「別に争いに来た訳じゃないわ。聖杯戦争に関わりのないサーヴァントを討ったところで意味がないもの」 そう告げると、イリヤスフィールは立ち上がり、居間から出て行こうとした。 「そういえばリン、今回はエーデルフェルトも参加してるわ」 「エーデルフェルト!?…まさかルヴィアの孫?」 「ええ。外見も性格も彼女そっくりよ。まぁ、真っ先にシキを殺しに来ると思う」 「……なんで俺が?」 「リンの孫だからに決まってるじゃない」 当然でしょ?みたいな顔をしてバーサーカーと共に去っていくイリヤ。 ……というか。 なんだってこう、祖母さんの知り合いってのは、みんな個性が強いんだろーか? そのうち筋肉隆々で馬鹿でかい岩の斧を持った大男とか現れそうで怖い。 うん、絶対会いたくない部類の人間だ。 なんて身震いをしていると、徐にセイバーが立ち上がった。 しかも、その目に宿るのは揺るぎない決意…。 「シキ、今すぐ特訓です…」 「え……特訓?」 「ええ。今の貴方はサーヴァント相手に身を守れるというレベル……せめて互角に渡り合えるまでの実力は付けてもらいます」 「おいおい、それは無理だろ…」 「無理を通せば道理が引きます。見たところバーサーカーはそこまで強くはない……凶化したところで前回のバーサーカーの足下にも及ばないでしょう」 と、セイバーがエクスカリバーの剣先を俺に突き付けた。 「さぁ立ちなさい色!この騎士王の全てを貴方に叩き込んで差し上げます!」
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