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朝の道場。
厳かな空気が流れるこの場所で、今俺はセイバーの足元で正座をさせられていた。
「……さて、シキ」
「…はい」
「自分が今、なぜこのような状況にいるのか分かりますか?」
わかっている。
そんなことは誰に言われるまでもない。
だが、果たして…。
本当に俺に責任があるのだろうか?
もちろん、それは言い訳や誤魔化しなどではない。
自分の罪はわかっているし、言い逃れるつもりはないのだが…。
「あのような……は、破廉恥極まりない…女性の乳房を、もん…ごほんっ!もとい、弄るなどという行為に及ぶなど言語道断です。あなたはまだ学生なのですから、節度ある行動を…(云々)」
赤面しながら説教を続けるセイバー。
そう。俺が怒られている原因は今朝の一件。
不可抗力でアーチャーの胸に手を当てていた…という理由からであった。
ちなみにそのアーチャーは未だに寝ているのだから、俺も救われない。
「聞いているのですかっ!?」
「は、はいっ!」
なおも続くセイバーの説教。
とうとう俺は、登校時間ギリギリになるまでセイバーの前で正座させられたのだった…。
「……ってことがあったんだよ」
学校に着き、俺は事のあらましをイリヤに説明した。
この不条理さをイリヤならわかってくれるだろうと考えたのだ。
…だが。
「サイテー。サーヴァントとはいえレディの胸に触るなんて…シキのエッチ」
一刀両断。
どうやらこの話題は女性陣には許し難いことのようだ…。
まぁ、胸に触ったのは事実なので今はこの非難を甘んじて受け入れよう。
「で、どうだった?」
「どうだった…って何がさ?」
「アーチャーの胸を触った感想」
「………それは」
なんとも形容し難いものがあった。
女性の胸に触ったのは無論初めてのことだったし、なによりアーチャーのそれは…。
「大きかったなぁ…」
「やっぱりシキってサイテー…」
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