第四章~君のいる日常~

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エーデルフェルト…。 祖母さんやイリヤの話では、俺を殺す為に聖杯戦争に参加したらしいが。 「ふ~ん…冴えない男ですわね」 「なっ…!?」 いきなり失礼な事を言われてしまった…。 というか、初対面の人間に対して冴えないとは失礼極まりないんじゃなかろーか? いや、まぁあながち間違いではないのだが…。 もとい……彼女がエーデルフェルトの人間ならば、聞きたいことがある。 「……で、俺になんの用だ?」 「決まってますわ。遠坂は我がエーデルフェルトの宿敵……その孫である貴方を打倒するのです!」 声高に宣言するエーデルフェルト嬢。 背後から紙吹雪でも舞い上がりそうな勢いのある彼女だが……俺は対照的に憂鬱だった。 あ~…やっぱりなぁ。 そうじゃないかって思ったんだよなぁ~。 なんて一人で頭を抱えて、軽く痛む頭を撫でる。 もっとも、彼女はそんな俺など目にも止めずに…。 「さぁ、サーヴァントを出しなさいエミヤ!この場で貴方を再起不能にして差し上げますわ!」 一人の幼い少年を、己の背後に顕現させた。 「一人で盛り上がってんじゃねーよ……ったく」 見た目はあんなだが、おそらく、あれがエーデルフェルトのサーヴァント。 その手に持つ槍は、つまりランサーのサーヴァントということだ。 だが、戦おうにも、今こちらにはアーチャーがいない。 まさかまだ寝てるんだろーか? どうしたもんか…と思考を巡らせ始めた瞬間。 「来なさい、バーサーカー」 今まで傍観を決め込んでいたイリヤが、自身のサーヴァントを召喚したのだった。 「イリヤ…?」 「シキはやらせないよ。だって…」 そこで一旦言葉を区切り、イリヤは…。 ――シキは私が殺すんだから…。 なんて、異常なまでに淫靡な笑顔を以て、そう言ったのだ。 その表情に思わず、背筋が震え、体中の毛穴が開いた感覚に襲われる…。 いや、それよりも……なぜ俺は今、“イリヤになら殺されてもいい”なんて考えたのか。 「そう……あくまで邪魔をするのですね?」 「そうよ。まぁ、そんな貧弱そうなサーヴァントじゃあ私のバーサーカーには勝てないでしょうけど」 ランサーとバーサーカーの戦い。 理性を失ったバーサーカーはともかく、ランサーも言葉なく、眼前の敵を凝視していた。 そして……。
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