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「おはよう」
「おはようございます、士郎」
朝の鍛錬を終え、着替え終えた俺とセイバーは居間へと入り、キッチンにいるであろう祖父、衛宮 士郎へと挨拶を投げかける。
すると、予想通りにエプロンを装着した祖父さんがキッチンの奥から現れた。
「おはよう、2人とも。…また今日も鍛錬してたのか?」
「はい。色は飲み込みが速いので教鞭にも熱が入るというものです」
「ははは。色は小さな頃からセイバーにしごかれて来たからな」
「ええ、既に士郎の全盛期をも超えているでしょう」
「そりゃちょっと言い過ぎだぞセイバー……それより祖父さん、祖母さんはまだ寝てんのか?」
……と、祖父さんは俺の問いに苦笑いを浮かべて『ああ、あいつは朝弱いからなぁ』なんて言いながら、朝食をテーブルに並べ始めた。
それを無言で手伝う。
祖父さんから朝食の盛られた皿を受け取り、並べていく。
どうやら今日は和食の献立らしい。
祖父さんが作る味噌汁は絶品だからな…これで今日のやる気も上がるってもんだ。
なんて考えていた最中…。
――ガラッ…!
「おはようございます、凛」
「……おはよう…セイバー」
どうやら祖母さんも起きてきたらしい。
寝起きのせいか酷い顔で居間に現れた祖母さん、衛宮 凛。
セイバーが剣の師匠ならば、祖母さんは俺の魔術の師匠と言える人物だ。
もっとも、セイバーと違って祖母さんは授業中であっても容赦がないのでこちらも文字通り命がけになるのだが…。
「……色、お茶」
「あいよ。熱いから気をつけろよ?」
不機嫌顔で座った祖母さんの前に湯飲みに注いだ玉露を置いた。
それを啜った後、祖母さんは唐突に…。
「色、今日の授業は18時からだから遅れないように」
「わかってるよ。学校終わったらすぐに帰ってくるから」
俺の返事に満足したのか、祖母さんはセイバーとの雑談に華を咲かせ始めた。
それを見届けた後俺は祖父さんとの準備に専念したのだった。
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