410人が本棚に入れています
本棚に追加
でも、それは出来ない。
アーチャーを助けると誓ったのだ。
例え、その果てで何かを失ったとしても……それだけは曲げられない。
『たった1人の為の正義の味方は辛いんだ…色』
祖父さんが昔俺に呟いた一言。
その言葉の意味を今更になって理解した。
ああ、落とす物が多すぎるんだ。
その1人の為に、全てを無くす……それはたしかに辛いことだよな。
だけど、それを突き通せたなら…意味はあると思うんだ。
だから…。
「…ありがとう……母さん」
「………………シ、キ…」
「でも俺は、アーチャーを助けたいんだ…だから、ごめんなさい…母さん」
「―――――!!」
前を見る。
少し休んだせいか、身体はすんなりと動いてくれた。
――さぁ行こうか…色。
「シキッ!!」
「…The criminal that I am stupid.」
《…私 は 愚 か な 罪 人》
詠った。
万感の想いを込めて、これから裏切る人の為に…。
最初のコメントを投稿しよう!