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謎の校則
転校してから一週間が経ち、オレは良太と登下校を毎日一緒にするようになっていた。そして今日の帰り道では、お互いの好きな人を発表し合うことになった。
「そっか、良太はB組の子が好きなんだ。オレ見たことないから明日一緒に見にいこうぜー。」
「は!?絶対に嫌だよ!?お前一人で行ってこい!!…いや、やっぱ一人でも行くな!!」
二人の会話は、オレはツッコミやいじり役、良太はボケやいじられ役の構図がなんとなく出来上がっていた。
「で、優作はそうゆう子見つかったのか??」
「え??オレはまあ…まだ一週間しか経ってないんだし、見つかってないよ。」
一瞬ドキッとした。実はクラスに一人、気になる子がいるからだ。
「んー…あやしい!!その顔と態度は絶対にいるな!!」
良太は明るくて天然っぽい男だが、勘は非常に冴えている。多分隠し通すことは無理だし、良太も好きな子を言ってくれたのでオレも言うことにした。
「絶対誰にも言うなよ!?」
「言わない言わない!!オレを見ろ!!言わないっていうオーラが出てるだろ!!」
どんなオーラだ…。
「実は…同じクラスの早坂明子っていう子が少し、本当に少しなんだけど気になってる…。」
早坂明子という名前を出した途端、急に良太の顔が曇った。
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