転校

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転校

「優作、もう学校行く準備した??明日からだよ学校!!」   「ホント母さん!?明日だっけ!?」   オレは親の仕事の都合で引っ越し、学校も変わることになった。始めは友達と離れ離れになるのが辛かったが、新しい環境に変わるというのは少し楽しみでもあった。   「やっぱり忘れてたのかい。もう少ししたら晩ご飯の準備できるから、それまでにやりなさい。」   その場は母さんの言うことを素直に聞くフリをし、自分の部屋に戻ろうとした。   「あ、そうだ待って優作!!さっき変なの発見したのよ!!」   「なんだよー。」   「見て見てこの紙!!優作が明日から行く学校の校則が書いてある紙なんだけど…。」   見てみたが、これといっておかしな点は見つからなかった。   「ここよ!!ここ!!」   母さんの指が差してあるところを見てみると、そこにはこう書いてあった。   『禁止ゲームをやってはいけない』   背筋を冷たい風が通り抜けたように、嫌な感じがした。だが、母さんは今オレを騙すことがマイブームらしく、よくイタズラをしてくるので、その時はまた母さんの仕業だと思った。   「どれだけ手の凝んだイタズラしてるんだよー!!こんな紙まで印刷して。」   「イタズラ…??なんのこと??」   「いつもそうやってとぼけるんだからーじゃあオレ明日の準備してくるから!!晩ご飯できたら呼んでね。」   部屋に入って冷静に考えてみると、母さんがここまで手の凝んだイタズラをしないことは明確だった。しかし、そんな気味の悪い校則があると信じられるはずもない。時間は無情にも淡々と過ぎ、初登校日を迎えた。
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