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「どうしたんだよー。もしかして良太が昔フラれた子か!?」
良太の予想外の表情に驚いたが、重くなった場を和ませようと冗談を言った。しかし、良太の顔の曇りは依然として消えない。
「…ごめん。冗談だよ冗談…。早坂明子と何かあったの??」
「いや、違うんだ…。」
オレは良太が話し始めるのをじっと待った。
「えっとなー…。別にオレが何をしたとか、何かされたとか、そうゆう訳じゃないんだ。ただ、なんていうか…悪い噂があってな。」
「噂…??」
「ああ…いや…まあ…とにかく早坂明子はやめとけ。」
いつもあんなに明るい良太からは想像できない顔だったので、単なる噂でないことははっきりしていた。
「噂ってなんなの??」
「…気分の良い話じゃないぞ??どうしても知りたい??」
「こんな中途半端な状態で終われないよ。気分の良い話じゃないことは良太の顔からも十分わかるし、話してくれ…。」
良太は一度大きく息を吐き、納得したようにうなづいた。
「そうか、まあそうだな…。早坂明子の噂を話すには、まずこの中学校の古い伝統から話さなければならない。…伝統と言っても、あるゲームなんだけどな。」
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