アヤカ

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ウチはハッキリ言って貧乏だ。 オモチャやゲームなんてない。 働いてる兄弟は持ってたりするけど、基本皆ケチだから貸してなんてもらえない。 その変わりと言ったらなんだが、ことさら遊び相手に事欠く事はなかった。 学校帰りに、三番目のお母さんの双子の姉妹、ウミとソラに(13)出会えば、帰宅後の手伝いも忘れて、僕らは帰り道の途中にある小さな川の河原で良く遊びほうけていた。 もっぱら我が家では水切りが流行っていて、皆こぞって水切りの回数を競い合っていた。 小さな小石が鋭く水面を削って何度もバウンドしていく。 その光景はとても爽快で、それこそ僕らは時間も忘れて小石を投げ合っていた。 「…4…5、6っ!やった!新記録っ!!これでアタシが1番!」 「うえ゛ぇ~!抜かれたぁ!!」 ウミの投げた小石が小気味よくバウンドしたのは6回。 それまでは、二人目のお母さんの息子のシンジには及ばずとも、ずっと自分の5回が我が家のレベルの低い闘いの2位を飾っていた。 それを女のウミに抜かれたと知るやいなや、ひどくうなだれて、すっかりやる気を失った僕に、ウミの双子の妹ソラが遠慮がちに声をかけてきた。 「ユースケ、ウミ、もう時間危なそうだよ。もう帰ろうよ。アキラ兄に怒られるよ」
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