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「ごめん。大丈夫か?」
「大丈夫よ」
少年に突き飛ばされた形で、道に膝をついた泉は、埃のついたスカートを払って立ち上がった。
擦りむいたのか多少膝は痛いが、大したことじゃないだろう。
「でも膝を擦りむいてる。痛いだろ?」
血の滲んだ膝を心配そうに見られ、泉は首を横に振った。
「本当に大したことないから。このくらいなら、絆創膏でも貼っとけば直ぐ治るから」
「じゃあ、バイ菌が入らないうちに傷口を洗った方がいいよ」
少年は泉の手を引いて、グラウンドにある手洗い場に向かった。
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