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――集中治療室
「……………え、今なんて?」
私は両親が顔に布を掛けられ横たわっているベッドの横で医師から告げられた…
医師「ですから、大破した車内からこんなものが見つかったんです。…幸いにも後ろのトランクに入っていたのでこれだけ無傷で発見されました。大事なものだといけないので確認してもらおうと……。」
「すみません……。」
私は恐る恐る医師から突き出された『それ』を震える手で受け取った。
見た目は両手で包み込めるくらいの小さな箱で、可愛い黄色のリボンでラッピングされた言わば『プレゼント』らしきものだった。
でも、私はプレゼントなど今まで一度も貰った事が無い。
それに本当にこれが『プレゼント』だとしても私のであろうはずがない。
きっと母が父に渡すはずの物だったんだろう。
そう思っていたからプレゼントから落ちた封筒を見たとき正直驚いた。
封筒の表面には大きく、
『畝那-セナ-へ』
と書かれていた。
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