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私は忘れかけていた記憶を必死に手繰り寄せる。
―――――薄れていく意識の中で垣間見た天使のように微笑みかけている女性と、その隣で心配そうな顔をして覗き込んでくる男性。
気がつくと私はベッドの上にいて、側には先程の女性がシーツに顔をうずめて寝ていた。
その女性がその時の私には天使に見えて、無意識の内に髪を触っていた。女性は身じろぎをした後、ゆっくりと顔を上げた。
私が起きていることにきずきまだ覚醒しきっていない意識で微笑むと
『おはよう』
と透き通った声
で言ってきた。
これが、私とこれから私の両親となる人達との出逢いだった。
それからは夢のような時間が過ぎていった。
2人共すごく優しくて、いつしかそこが私の居場所になっていった。
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