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―――――――
「………………さん…………………………………………お客さん!!」
突然、肩を揺さぶられて私の意識は現実に引き戻された。
目の前には迷惑そうに怪訝な表情で私を見ているタクシーの運転手がおり窓の外を見ると『○○病院』と書かれた看板が立っていた。
いつの間にか眠っていたようだ。
私はすぐさまメーターに映し出されている金額を運転手に払い外にでた。
空を見上げると既に日が落ちておりうっすらと星が輝いて、自分たちの存在をめいっぱい誇張していた。
でも今の私にはそんな星を『綺麗だ』なんて思う余裕が無く、これから嫌でも見なければならない……受け止めなければならない現実を前に 不安と恐怖で足取りが重くなっていく事が分かった。
正直、逃げ出したかった。
現実を受け止めたくなかった。
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