過去の賞賛と栄光

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アルコール依存症であるが故に 指が定まらない。 和やかな雰囲気で笑顔を差し出し、郵便配達員はボールペンをメルセンに手渡す。 そんな急変した態度の郵便配達員にメルセンは困惑しながも、小包を受け取り ボールペンで自分のスペルを書き出していく。 英語のスペルも乱雑に書かれたサイン。 「こ、これで良いかい?」 言葉のアクセントが呂律で、メルセンは何を話しているか聞き取れなかった。 小包を支えるだけでも精一杯の余力である。
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