RoundⅡ

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血を啜り合う音が響く。 絡み合いながらお互いを貪り唇を赤く染め上げる。 赤い枕に赤黒い血液が落ちた。 噎せ返るような血の薫りが酷く落ち着く。 何度でも何度でも 僕らは罪を犯す 何度でも 何度でも―― 「アベル…喩え僕だとしても…君が他者にその躯を許した事…赦せないな…」 皮膚に食い込む兄の爪痕から薄ら血が滲む。 赤眼が狂喜に歪み、僕を蝕んでいく。 「アベル…君を殺すのも肌を重ねるのも…僕じゃなきゃいけないよ…」 “そういう定めだからね” 呟いた言葉が深く胸にのし掛かった。 「僕らはひとつで…」 僕らはふたつ 定められた運命の輪の中で僕らはもがき、溺れ…そして穢れていく。 愛しくて憎い唯一無二の存在を血塗れの両腕で抱きしめ、戯れに興じた―…  
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