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「アサ、部屋においで」
いつものように兄に呼ばれ同じベッドで眠る。
寂しがりやの兄は一人で眠る事を嫌うから。
僕を抱き頭を撫で、唇を重ね眠る。
元々同性だとか兄弟だとかに偏見は持ち合わせていない。
これこそが罪の証なのかもしれないけれど―…
重なる唇から兄の温度が伝わる。
差し込まれた舌が歯列をなぞり舌を絡めとる。
だんだんと激しくなるそれに僕はかろうじてついていく事しか出来なかった。
「アサ、可愛い…シたい」
烙印の無い首筋から鎖骨までを舐め、欲で瞳を染め上げた兄に見つめられる。
カイン以外に感じない。
解っているのに僕は小さく頷き、兄の背中に腕を回した――
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