曇る.

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もう季節は真冬。 あの後の事は、思い出したくないけど進まなきゃね‥ あれから私は、なくした宝物の事で泣かなかった。 と言うより、泣く事を止めた。 自分の手で奪った生命‥泣くなんて私には、許される訳がない。 この事は、母・旦那・私の3人の秘密‥ その日の夕方、義父が家を訪れたが相変わらず過去の話をただ繰り返すだけ。 こんな日だけは、彼女の名前も聞きたくないのに‥ 唇をキリキリと噛んで、耐えた。 義父には体調が悪いので検査すると伝えてあったのは、この為だったのに‥ 手術した事を知らない義父は、申し訳なさそうな顔をしながら私を無神経に傷付ける。
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