王子様より入電

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王子様より入電

プルル…プルル… 「お電話ありがとうございます。スノウホワイト電話相談室、担当・白雪です!」 「王子です」 「はい、王子様ですね。それではお電話口でのご案内となりますので、ご本人様確認のために合言葉をお願いします」 「アイドル大好き」 「…確認とれないようでございます」 「ごめんごめん…がっきゅううんこ!だ」 「ハイ、確認とれました。長期ご利用いただき、誠にありがとうございます」 「まぁそんなカタいことはいいんだけどさぁ…、最近噂に聞く、眠り姫のことが気になってさぁ」 「眠り姫様…でございますか」 「そう、眠り姫。なんだかもうずいぶん眠ってるらしいんだ。すすきの穂で鼻やかかとをこちょこちょしても、全然起きないらしい」 「それは大変ですね、もしかして不感症?」 「なんといっても無防備な女性…これはボクのひとつのタイプなんだよ。白雪姫の時もそうだった。あ…今眠り姫がどんな寝相で寝ているのか想像しただけでたまらん。いますぐ眠りの森へ行くべきか、とても悩んでいるんだ」 「かしこまりました。今すぐ眠りの森へ行くべきか行かないべきかでお悩みということでございますね」 「ああ…(うっとり)」「お答えいたします。すぐにでも行かれるべきです。眠り姫様がお待ちでございます。ただ、そうなった時に白雪姫様が邪魔になってしまう…そこで提案ですが、白雪姫様には手切れ金として、お城+金銀財宝+現金50億円を手切れ金として置いていかれてはいかがでしょう?」 「それはちょっと多すぎないか?」 「ご安心くださいませ、王子様。どうせ眠り姫様の財産はすべて王子様のもの。それよりも女は業が深いですから、白雪姫様にはすべて与えてしまうのがよろしいかと思います」 「そうしたら眠り姫とはうまくいくかな」 「もちろんでございます。眠り姫様との未来のために、白雪姫様には富と財産をお与えください」 「わかった、キミの言う通りにしよう。眠りの森に行ってもまた架けるつもりだけど、圏外になってしまうかもしれない。先に今日の料金は払っておくよ」
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