気付いたときは、見知らぬ土地で

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少年はそのビルの三階ははくだらない高さの岩場から座っていた机から降りるような軽さで飛び降りた。 「え? ちょっ!?」 それに慌てたのは零。 三階の高さで死ななくても骨折はするだろうと認識しているからだ。 ジャラ 零が立ち上がる時に少年は地面に着地した。 階段の最後の一段を飛び降りたような様子で、だ。 少年の格好は本当に奇怪だった。 15歳程の見た目にやや短めの黒い髪。 漆黒のダボついたロングコートを着て手は広がった袖口の中に完全に隠れている。 ただ、目を唯一白い包帯で巻いて隠している。 その少年が日本人に見えるのは先ほど日本語を発したからだろうか。 それに零が呆気に取られて見ていると少年が零を見て小さく微笑んだ。 「あ、えっと・・・」 「おはよう」 零がキョドると少年はそう言った。 「お、おはよう・・・」 それを聞いてから少年が零に近づいて手を差し出した。 「ツキ」 「・・・え?」 ・・・月? 「名前」 零が不思議声を上げると少年がそう言った。 「ああ・・・。俺は銀時 零。よろしくな、ツキ」 納得して、名乗ってから零はその手を取った。
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