気付いたときは、見知らぬ土地で

7/24
前へ
/228ページ
次へ
「レイー! ストップッ!」 飛んでくる零の拳を避けてツキが叫ぶ。 「・・・」 零はその勢いで回し蹴りを放つ。 「うわっ!?」 それはツキの首筋を捕らえ損ない、地面に戻る。 「い、今のは笑えないかな~・・・」 ツキが引きつった笑みを浮かべるが零は無視して殴りかかる。 「わっ!? ストップッ!!」 ツキは右にズレて避ける。 が、 「へぶしっ」 そちらから来た零の脚がツキの後ろ首を捕らえた。 そのまま地面に叩きつけるように重心を掛ける。 「な、なんのッ!!」 「クッ」 ツキは零の脚を払って、体勢を立て直して飛び退く。 零も数瞬遅れて離れる。 零はそのまま間合いを詰める。 「いろいろと答えるから止まれーいっ!!」 ツキの悲鳴だけが深夜の荒野に、高らかに響き渡った。
/228ページ

最初のコメントを投稿しよう!

37人が本棚に入れています
本棚に追加