気付いたときは、見知らぬ土地で

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「し、死ぬかと思った」 「お前も喧嘩慣れしてんのか? ずいぶんと動きが良かったけど」 少し離れてしゃがみ込んでいるツキはそれを聞いてピクッと反応する。 「お前、も?」 「ああ、動きがかなり良かったけど違うか?」 「いや、ツキはそんなに・・・ てか、レイはすごい場慣れしてるの?」 「まあ、それなりに」 「それなり、ねぇ・・・」 先ほどのことを思い出し、ツキの目が遠くなる。 場慣れしているというレベルではなかったと思われる。 それに、 「普通の喧嘩に前宙とかバック転はしないよ・・・」 勢いがついてかなり痛そうだったりする。 速度もかなり速いため、かなり慣れてのだろう。 「なんか言った?」 「ううん、なんでもない。 そだ、さっきの質問に答えるね」 早口にそう言って話題を切り替える。 正直あんなことはゴメンだとツキは思った。
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