何かもーやってられるかーと脱力してみる。

55/63
前へ
/280ページ
次へ
  「なんなんですかぁ!? あの子なんなんですかぁ……!」 「んー? 君と同じくらいの歳の小学生かなー?」 「倍以上生きとるわー!」 禍夜さん家の綾香ちゃん、十一歳。 聖城さん家のアリスちゃん、二十六歳。 もう一つおまけに九条さん家の優香さん、四十二歳。 でも見た目から取れる年齢はおそらくアリスと綾香ちゃんは同じくらいだからニアイコール程度の違いだと思う。どっちも毎朝学校に通ってるわけだし。 優香さんは頑張れば中学生くらいに見えるから『≦』って付くはずだ。脳ミソはたぶん綾香ちゃんよりもガキだろうけど体格さで。いちおう子供産んでるし、それも考慮して僅差ではあるが綾香ちゃんよりも大人、かな? 「え。お姉さんなんですか?」 目を丸くする綾香ちゃん。小学生くらいの視線からいくと『オバサン』と言われてもおかしくない年齢なんだよ、とは言わない僕の優しさ。 だって殴られてしまうもの。 「お姉さん、とか……可愛いなぁこのヤロー!」 「え、ええ……? じゃ、ど、どうしたら?」 「…………」 ああ、反応に困ってる困ってる。 しっかり僕に抱き付いたまま、もう怯えはどこかに行ってしまったのか。それでもぽかんとしたままの綾香ちゃん。 どうでもいいけど、ノーリアクションって最凶のボケ殺しだよね。アリスも冷静になってちょっと困ってるみたいだし。  
/280ページ

最初のコメントを投稿しよう!

851人が本棚に入れています
本棚に追加