けっきょく僕は僕なのです。

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  腰の辺りまで伸ばされた長いプラチナブロンド。背の高く出るとこはかなり出て引っ込むとこはしっかり引っ込んだ世の女性が皆羨むだろう細い体躯。縁の赤い眼鏡にエプロンドレス。 ほーおー直属のメイド長、遥香さん。 「まさか、あの一撃が避けられてしまうとは思いませんでした」 「僕も、まさかとは思ったけどやっぱり実力行使に出てくると思ったよ」 あれ? なんか日本語おかしい? 「ま。今はそんなこと気にしてる余裕なんてないか……」 「ええ。なるべく私から目を離さないようにして下さい。でないと――次はまぐれで避けられませんよ?」 やる気満々ってか? 相変わらず、普段はまったくやる気の片鱗も見せやしないくせにほーおーの前ではやたらと真面目になりやがる。 てゆうか、そもそもいったいどこから現れてくれたものか。何でほーおーが名前呼んだだけであんな蹴りが飛んでくるのか。 「まあ、何だろね? やるってゆうなら、やらないと痛い目見るわな」 てか、どちらにせよ痛い目見ることになるだろう。僕ケンカとかちょー弱いし。  
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