けっきょく僕は僕なのです。

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  「てか、あれ? 何で二人ともそんな臨戦態勢バリバリでやる気満々なんですか?」 「…………」 あれ? なんて言いながらペコちゃんみたいに首を傾けるほーおー。なんて空気の読めない子。つか何? これ、お前の指示じゃなかったとですたい? 「……あら? もしかして違いましたか?」 遥香さん、アンタもそんな不安になるようなことを今更おっしゃらないで下さいな。 あれ? あれれ? ほーおーと遥香さんがお互いに目をぱちくりさせながら何か見つめ合ってる。あれだよね。アイコンタクトってやつ。 「わたしはひーくんさんと一緒にこの場をあとにしようと遥香に頼みたいなー、と」 「私はお嬢様からひーくんさんの息の根をちょっと止めてほしい、と」 おい。全然意味が伝わってないじゃんかよ。 二人の間のだいぶズレているのであろう波長に振り回され危うく、というよりも完全に巻き込まれてしまっていた僕の扱いはどうなる? そんなことを口に出して文句の一つでもぶつけてやりたかったのだが、何だかあの二人の間でギクシャクとした不穏な空気が流れ始めた。ちなみに今度こそ僕は関係ない。巻き込まれたくない。  
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