けっきょく僕は僕なのです。

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  「はっ、ま、まさか遥香、アナタ、わたしからひーくんさんを奪うつもりで……っ!」 「どこからどう解釈されたのかまったくわかりませんが、まったくの誤解ですよお嬢様……!?」 やっぱり。あの二人、実はまったく意志疎通なんてないらしい。 「あんな顔だけのへらへらした男に、この私が靡くなんてことはありません!」 黙れ真性レズビアン。誰がへらへらしてるか。 「か、顔だけとか! ええ! たしかにひーくんさん顔だけは良いですが、探せば他にもいいところがある……はず!」 妙なところで日本語おかしいし。もっと具体的にハッキリもの言いやがれ。 何だかこの二人の言い争いにはそこにいるだけで僕の心が傷付けられそうな気がして、ヤだ。 しかもあの有名人過ぎる二人目当てにまた野次馬がわらわらと集まる集まる。マジで早く逃げよう。 そう胸に誓い、まだ何かギャーギャーワーワー言ってる二人に心の内でバイバイと手を振りながらどこか彼方へ。途中数人の野次馬達が僕を見ていたけど知りません。僕その人達と関係ありませんからこっち見んな!  
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